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大人の風邪・アレルギー疾患・舌下対応

当院では付き添いの保護者の方も一緒に診療を受けられます

家族お子様が受診される際に、保護者様も調子を崩されていることが少なくありません。お子様の看病のため、保護者様自身の時間の確保が難しく、食事や睡眠が二の次になっていらっしゃることと思います。可能な範囲でご対応させて頂きますので、お声がけください。
特に、漢方の治療においては母児同服(子どもの病気に対する漢方薬を母親も一緒に服用することでより効果的な治療を目指す)という考え方があります。
また、スギ・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法(保険診療)は、お子様と保護者が一緒に治療を進めることで、薬の飲み忘れを防いだり、励まし合いながら頑張ったという親子の思い出になることでしょう。
なお、お子様がインフルエンザなどの予防接種を受けられる際に、保護者の方も一緒に受けていただくことができます。
ご予約、またはご来院の際にお声がけください。

当院で実施している大人の方の診療

風邪

一般的に風邪と呼ばれている疾患は「風邪症候群」といいます。
上気道(鼻腔〜喉頭)の急性の炎症による症状を呈する疾患で、下気道(気管、気管支、肺)に波及する事があります。小児と同様に、あらゆる年齢層に発症し、健常な人の大半が罹患するごく普通の疾患です。
風邪症候群の80-90%がウィルスと言われています。主なものは、ライノウィルス、コロナウィルスが多く、RSウィルス、パラインフルエンザウィルス、アデノウィルスなどが続きます。その他の原因として、一般細菌、肺炎マイコプラズマや特殊な細菌などがあります。
 風邪症候群は、くしゃみなどで飛散する飛沫を介してウィルスなどの病原体が気道に入り、気道粘膜に付着して侵入、増殖することから始まるとされています。そこから発症するか否かは、周囲環境や感染した人の要因によって決まります。
発症すると、鼻症状(鼻水、鼻づまり)、咽頭症状(咽頭痛)のほか、発熱、頭痛、全身倦怠感などが出現します。炎症が下気道まで及ぶと、咳や喀痰(たん)が出るようになります。
原因微生物の確認は、一部のものは院内で5〜15分程度で判定できる迅速検査があり広く行われていますが、咽頭ぬぐい液や血液検査でわかるものもあります。しかし、多くの場合は原因微生物の同定は難しく、診察時の所見から診断することも少なくありません。

ウィルス性の風邪症候群は、安静、水分・栄養補給によりご自身の免疫力によって自然治癒します。そのため、処方される薬は症状を軽減することを目的とし、対症療法になります(去痰剤、咳止め、抗炎症薬、解熱鎮痛薬など)。一方、細菌感染と診断または疑われた場合には、抗菌薬が必要または有効になります。細菌感染の部位や種類によっては、抗菌薬をしっかりと投与することによって合併症のリスクを減らすことにつながるため、特に症状が長引いている時には受診のうえ、抗菌薬投与の必要性について評価することが望ましいでしょう。

風邪症候群のほとんどはウィルス性感染で、飛沫感染や接触感染によるものです。予防のためには、外出時のマスク着用、外出後の手洗い・うがいが有効です。また、くしゃみなどが出る際には、感染を広げないために、鼻と口をティッシュや衣服で覆おうなどの咳エチケットが大切です。

そのような対策を徹底した場合にも、同居のご家族様どうし、お互いに風邪をもらったりあげたりする(感染する)ことはよくあることです。子育て中のご家族様が限られた時間の中、ご自身のために時間を確保することは簡単ではないと思います。
風邪の大半はウイルス感染によるものですので特効薬はなく、基本的には十分な水分摂取を行って安静に過ごして自然に治るのを待ちますが、安静を妨げるほど強い症状がある場合には緩和する対症療法を行うことで、より早く楽に治すことができます。
特に、お子様のお世話で疲労から免疫力が落ちていると、症状が治りにくかったり、合併症を起こしやすくなるなどで、さらにお子様のお世話が大変になることにつながりかねません。少しでも早く体調が戻りますよう、お気軽にご相談ください。

アレルギー疾患

お子様と同様に、血液検査によるアレルギー検査及び治療を行っています。
ガイドラインを元にした標準治療を行っており、社会生活との両立が可能であるように治療方針を一緒に考えます。アトピー性皮膚炎の方にはデュピクセント注射による治療、気管支喘息の方にはゾレア注射による治療にも対応いたします。また、スギ花粉やダニが原因のアレルギー性鼻炎の方は、舌下免疫療法(保険診療)を行って頂くことが可能です。

舌下免疫療法

アレルギーを引き起こすアレルゲンを微量含んだ薬(ラムネのような溶解錠)を、毎日、舌下(ぜっか=舌の下)に投与し、免疫寛容(そのアレルゲンに反応しにくくなる)をもたらす根治的な治療です。舌下には、アレルゲンを取り込みリンパ節へ運ぶ「樹状細胞」が存在し、胃を経由せずに直接舌下の粘膜から吸収され体内へ取り込まれることにより、胃酸によって分解されるのを防ぎ、効果的に作用します。
リンパ節では、「樹状細胞」が免疫を抑制する「制御性T細胞」を誘導し、これらが増えることによってアレルギー反応は抑制されるようになり、症状が緩和されるようになります。体質を改善することによる根治治療に近いものと考えられています。
有効率は約8割と言われており、十分な効果を得るためには3年以上の服用を目標にし、中止後は5〜10年程度効果が持続するとされています。開始後1ヶ月程度は副反応が最も起きやすい時期ですが、多くの方は舌下や咽頭、耳などの掻痒感程度で、副反応が全くないという方が多いです。毎日の習慣になってくると忘れる日が出てくると思いますが、忘れる日が多いと治療終了後の効果減弱が早く起きるとの報告があり、8割以上の投与率を目指しましょう。
完全には症状を抑えられないケースもありますが、その場合にも症状を緩和させて服用する薬の量を減らす効果が期待できます。

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