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乳幼児健診

乳幼児健診の目的

乳幼児期は急速に発育発達する時期です。順調な発育発達を促し、発達段階にあった生活様式を確立し、将来の社会人としての基礎を作る大切な時期です。
乳幼児健診の主な目的は以下の通りです。

  • お子様の発達や発育の状態、病気の有無、心の問題など、日常的には発見が難しく、見逃されやすい問題がないかを確認し早期発見につなげます。
  • 予防接種の接種状況を把握し、今後のスケジュールを確認します。
  • 病気や事故を予防するための注意点をお知らせします。
  • 離乳食の進め方や睡眠などの生活習慣などに関するお悩みや不安について、ご相談を伺います。

ご持参頂くもの

  • 母子健康手帳
  • 問診票兼受診券(区から送られてきたもの)
  • 健康保険証・医療証(処方のご希望がある方のみ)
  • 保険証、医療証をお忘れの際は、いったん自費となります(現金のみ)。
    受診の際にはお忘れなく、ご持参ください。

乳幼児健診の流れ

1予約

Webでご予約が可能です。
乳幼児健診は、月・水・木・金:14:00~15:00、土:12:30~14:00に優先的に受診して頂けますが、一般診療時間も受けられます。

2予約日当日

受付

母子手帳と受診票をご持参の上、予約時間の少し前にご来院ください。

問診と身体測定

問診を行い、お子様の身長・体重、胸囲・頭囲などの測定を行います。
視覚スクリーニング検査をご希望される場合、生後6ヶ月健診から受けて頂けますので、お伝えください。

診察

発育や発達の状態、健康状態について確認します。

育児相談

ご希望があれば離乳食・睡眠・スキンケアなどの生活習慣や子育て中のお悩み、予防接種スケジュールなどに関する相談も可能です。気になることがありましたら遠慮なくご質問ください。

健診終了

受付で母子手帳と診察券をお返しします。
なお、次回健診や予防接種の予約も可能ですので、受付にお伝えください。

子どもの成長と発育

ママ乳幼児期は、一人ひとりの成長や発育のペースに大きな幅があります。出生時の体重も様々な上、栄養が母乳のみか、人工乳のみか、混合か、でも成長のペースが異なります。発育の評価には、母子手帳にも付帯している成長曲線を指標にします。WHOによる母乳栄養児の発育曲線に関する報告によると、生後3か月までは混合栄養や人工栄養のお子さんたちよりも大きくなります。生後に勢い良く体重が増えた赤ちゃんも、活発に動き回るようになると体重の増え方が落ち着いてきます。そのため、成長曲線を元にしつつも、大きなトレンドとして経過を見ていくようにしましょう。ご心配な時は、健診のタイミングによらず、体重測定し、成長曲線にプロット・評価をいたしますので、お気軽にお声がけください。

3~4ヶ月健診 (新宿区は公共施設にて実施)

1〜2か月の頃と比べ、様々な変化が見られます。睡眠リズムが作られるようになる頃で、それまでよりもまとまった時間眠るようになることが多いです。また、手の存在に気づき、じっと見ていたり、触れたものや近くのものは握り、振ったり舐めたりして遊びます。保護者の皆様も、時間を忘れて赤ちゃんを観察しまうなど、見ていて飽きないことでしょう。

生後1〜3か月の体重増加は、文献により多少のばらつきがありますが、1日20〜35g増加が目安になります。頭囲のほうが胸囲よりも2cmほど大きいのが一般的です。

神経学的な発達に伴い、あやし笑い、cooing(アーとかクーと言うこと)、追視・固視、音の方を向く、などが見られます。

この時期のチェックポイントは、定頸(首のすわり)です。引き起こし反応で見ますが、45°引き起こしたところで、頭と頸部が同じ傾きになるように真っ直ぐ起き上がってきます。もしも、まだしっかりしない場合には、伏臥位(うつ伏せ)にして胸の下にタオルなどを巻いたものを入れ、正面から保護者も腹ばいになって声をかけてみてください。頑張って顔を持ち上げて見ようとすることで、首の座りが安定してくるでしょう(くれぐれも赤ちゃんが疲れすぎないようにしてあげてくださいね)。

その他、全身の診察をはじめ、音に対する反応(聴力)、眼位・瞳孔(斜視の有無、網膜芽細胞腫の早期発見)、股関節開排制限(先天性股関節脱臼の有無)(※)のチェックも大切なポイントです。

(※)先天性股関節脱臼

発症頻度0.3%、早期発見が大切です。新生児期にすでに発症しているものから、生後徐々に負担がかかるにつれて発症するものまであり、1歳未満の乳児健診の際にはチェックします。また、

  1. 股関節開排制限あり
  2. 大腿皮膚溝または鼠径皮膚溝の非対称
  3. 家族歴;血縁者の股関節疾患
  4. 女児
  5. 骨盤位分娩(帝王切開時の肢位も含む)

のうち、「1」、または「2〜5の2つ以上」が陽性の場合には、高度医療機関へご紹介をさせていただきます。

6~7ヶ月健診

寝返りやお座りができるようになり、手を伸ばしてものをつかむ、声をかけて欲しいものを要求するなどできることが次々に増えます。離乳食を飲み込むのが上手になり、夜の睡眠時間も長くなり、生活のリズムが安定します。保護者への信頼関係が現れ、親子の絆がこれまで以上に深まる時期でもあり、他の家族や周囲の人との関係を深め、世界を広げていきます。赤ちゃんとの時間がますます楽しくなってくると共に、さまざまな悩みを持つようになりますことでしょう。ネット情報や育児書の内容と比べて不安になることもあるかもしれませんが、成長・発達が良好であれば、細かな数字(授乳回数や量など)は気にしないで大丈夫です。

体重は、3〜4か月健診からの体重増加が1日18g〜30gで、出生体重の2倍になります。体重増加不良が疑われる場合は、離乳食を進めることが望ましいですが、進みづらい場合には人工乳の追加を考えます。身長は、成長の速度がピークを過ぎ、精査が必要な低身長がないかを評価します。

神経学的な発達に伴い、両足を持ちあげて手で足を握ったり、口に持っていったりするようになる、少しの間支えがなくても座るようになる、おもちゃに手を伸ばして取ったり、一方の手から反対の手に持ち替えるようになり、やがて打ち合わせて遊ぶようになります。腹ばいにすると両手で体を支えたり、やがて回転するようになります。また、3cmくらいの積木を手のひら全体でつかんだ状態から、発達に伴い親指を使って他の4本の指と手のひらで握るようになり(はさみ持ち:7〜8か月)、さらに進むと他の指の指先を使うようになり、親指と他の指の腹だけでつかめるようになります(指先持ち:10〜11か月)。

この時期に健診中に行うチェックポイントは、“顔にタオルをかけるテスト”cloth on the face testとお座りを確認します。お座りは、まだ一瞬であっても大丈夫です。ご自宅では、座らせた状態で胸の前に巻いたタオルを置き、その先におもちゃを置いておくと、タオルに支えられながら座った状態でおもちゃで遊ぶことで、その姿勢が上手になってくるでしょう。くれぐれも、疲れない範囲で楽しみながらお試しください。
また、寝返りはチェックポイントではないのですが、満7か月頃には90%の赤ちゃんがし始めます。うつ伏せが嫌いな赤ちゃんや太った体格の赤ちゃんは、寝返りをしないかもしれませんが、これから先の発達や発育に影響するわけではないので、あまり心配されないでください。

他に、全身の診察、音に対する反応(聴力)、眼位・瞳孔(斜視の有無、網膜芽細胞腫の早期発見)、股関節開排制限(先天性股関節脱臼の有無)のチェックが大切です。また、離乳食や予防接種の状況について確認します。

9~10ヶ月健診

生後早期からの母子の触れ合いが大きな基礎となり、愛着形成が始まります。ハイハイなどで移動も可能になってくると、新しい関わりが増え、不安や恐怖心を感じるようになり、人見知りが始まる赤ちゃんもいます。保護者に近づき触れることで不安や恐怖心が和らぎ取り除かれると、新しいものへの挑戦につながっていきます。人見知りが始まって、少し困ってしまう保護者様もいらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんの不安や恐怖心に寄り添い、わが子をしっかりと抱き上げて安心を与えてあげましょう。将来、いろいろなことへ逞しく挑戦してゆけるための、心の土台となるでしょう。

体重は、月に200〜300gとゆっくりになります。身長・頭囲の測定には、嫌がったり怖がったりと強い抵抗があることが多くなり、正確な測定が少し難しいかもしれません。測定の際には、一緒に赤ちゃんを安心させて頂けると助かりますので、よろしくお願いします。

神経の発達により、「まんま」「あぶあぶ」といった喃語bubbling(意味を持たない発声)を話すようになります。目と目が合うと微笑んだり、拍手や手を振る動作・人の動作(“バイバイ”や“パチパチ”など)を真似たり、大人の言うことが少し理解できるようになります。お座りが安定し、ハイハイやつかまり立ち、小さいものを上手につかめるようになります。

健診中に、パラシュート反応やホッピング反応を確認します。パラシュート反応は、赤ちゃんを背後から抱いて、上体を頭から落下させるようにすると、両腕を伸ばし両手を開いて体を支えようとします。ホッピング反応は、立った状態で体を左右や前にゆっくり倒すと、どちらかの足が出て、体重を支えようとする反応で、つかまり立ちの準備にもなる反射です。
引き続き、全身の診察、音に対する反応(聴力)、眼位・瞳孔(斜視の有無、網膜芽細胞腫の早期発見)、股関節開排制限(先天性股関節脱臼の有無)のチェックが大切です。また、離乳食や予防接種の状況について確認します。母乳栄養のみで離乳食が進まない赤ちゃんは、鉄欠乏貧血がないかも確認します。

1歳半健診

人間としての基本的な機能が完成する時期で、言葉、社会性、運動、いずれも発達評価の上での大切な時期です。意味のある言葉を話す、転ばずに歩くことができはじめる時期です。離乳食を卒業し、絵本を見て知っている動物やキャラクターを指差したり、積み木をいくつか積んだりなどができるようになってきます。公園に行くと、保護者と遊ぶだけでなく、保護者が見える場所で一人遊びをしたり、他の子どもが気になりはじめます。

体重が極端に小さかったり、1歳頃から増えていない場合や、逆に極端に増加傾向という場合には、隠れた疾患がないか、食事内容の見直しが必要か、確認します。身長については、家族性があることが多く、他の発達状況が問題なければ心配のないことがほとんどです。頭囲も家族性によるところが大きいですが、水頭症の可能性を考慮し、急激に大きくなっている場合や、他の発達状況に心配がある場合は、高度医療機関へご紹介をさせていただきます。

健診でのポイントは、歩行と言葉です。健診時にできていなくても直ちに異常というわけではなく、関わり方の工夫で変わったり、ゆっくりとそのお子様のペースで発達をしている途中、ということがあります。特に、発語がないお子様の中には、聴力に問題があったということがあります。どうか気負わずに、受診しましょう。

引き続き、全身の診察、音に対する反応(聴力)、眼位・瞳孔(斜視の有無、網膜芽細胞腫の早期発見)のチェックが大切です。

子ども達は、赤ちゃん時代から段階を経て、社会に向けてどんどん世界を広げてゆきます。出生後すぐに母親と素肌で触れ合った児は、1歳時点でより自分の行動を調節することができたという報告があるそうです。新しい場所、知らない人との出会いはストレスとして受け止められますが、このストレスにうまく対応できると新しい場所や人とも怖気付くことなく遊べる様になるということです。出生直後の過ごし方については、生まれた病院や施設によって様々と思いますが、その後の数ヶ月間(早期の赤ちゃん時代)をできるだけ保護者が児とゆったりとできるような環境を作れるよう、私たちは応援したいと思っています。

健診の診断書作成

一般診断書(簡易) 3,000円
一般診断書(詳細) 5,000円
診療情報提供書 5,000円
受験用診断書(健診+書類代) 5,000円
入園・入学前・留学・渡航前検診(簡易) 3,000円
入園・入学前・留学・渡航前検診(心電図・聴力・視力) 5,000円
生活指導表・学校管理表(アレルギー指示書) 0円
給食調査表 0円
登園許可証(新宿区立こども園・保育園) 0円
登園許可証(新宿区立こども園・保育園以外)
・登校許可証 フォーマットあり
0円
登園許可証(新宿区立こども園・保育園以外)
・登校許可証 フォーマットなし
500円
病児・病後児保育利用連絡票(区内) 0円
病児・病後児保育利用連絡票(区外) 0円
英文診断書(簡易) 7,000円

英文診断書(詳細)

10,000円
英文予防接種証明
10,000円
それ以外の健診
※外傷関連書類
※診断書・明細書(自賠)
予防接種相談(渡航)
血液型検査 2,500円
インフルエンザ抗原迅速検査 4,000円
インフルエンザ予防投与希望受診 5,000円
フルコビ 8,000円
コロナのみ 4,000円

新生児の様々なお悩みもご相談ください

新生児外来

生後28日未満の赤ちゃんを新生児と呼びます。生まれてすぐの入院中は、毎日体重測定をし、必要に応じて低血糖や黄疸のチェックをされていたことと思います。スタッフさんから母乳育児のサポートを受けられたかもしれません。
退院すると、いきなりたった一人で赤ちゃんのお世話をすることになり、特に周りのサポートがない環境では、とても不安な中で頑張られていらっしゃることでしょう。
赤ちゃんが健康に育っていくためにも、お母さん(保護者の方)が楽しんで子育てできることが大切です。お母さん(保護者の方)自身のご不安、赤ちゃんに関するお悩み、体重や授乳に関するご相談など、お気軽にお話をお聞かせください。
乳児健診・予防接種のお時間が比較的落ち着いてお話を伺えますが、一般診療時間でも対応しております。体調・ご都合に合わせてお越しください。

このようなお悩みはありませんか?

  • 赤ちゃんが元気に育っているか不安
  • 病気が隠れていないか
  • 順調に体重は増えているか
  • 母乳は足りているか
  • 授乳方法は合っているか
  • 黄疸は問題ないか
  • 肌荒れが気になる

頭の形について

赤ちゃんの頭は、成人のように1つの頭蓋骨ではなく、6種類8個の頭蓋骨で形成されています。それらは繊維で縫合(ゆごう)されていますが、まだ骨としては癒合していません。それは、脳が急速に成長するためで、新生児期の脳が350〜400gであるのに対して、生後8か月で2倍、5〜6歳で成人相当の1,200〜1,400gとなります。最終的にしっかりと1つの骨として癒合するのは2〜3歳頃です。

そのため、睡眠時の姿勢などによる外圧によって容易に頭蓋骨の位置が変位する「位置的頭蓋変形(頭位性斜頸、向き癖)」が、乳児期早期の約40〜50%に認められたとの報告があります。生後4か月頃に頻度が一番高く、定頸後に改善する傾向があり、一部は成人期まで継続することがわかっていますが、これは病的な変形でないタイプに分類されます。

一方、2,000〜3000出生に1人の割合で「頭蓋縫合早期癒合症」といった疾患によるものがあります。これは、頭蓋骨をつなぐ縫合線のうち、1つ、もしくは複数、時には全部が、胎児期から1歳以前の早期に骨性癒合する疾患で、代償的に癒合した縫合と並行する方向に過成長します。

いずれもヘルメット矯正治療の対象となりますが、「頭蓋縫合早期癒合症」の場合は早期癒合した頭蓋縫合部分を切除した上でヘルメット矯正療法を行う必要があり、3か月からの治療が可能ですが、遅いと治療が難しくなります。そのため、早期に正しく診断し、治療することが必要です。また、位置的頭蓋変形に対しても、多くの施設で生後3〜6か月で開始し、約6か月の治療期間を要します。

頭の形が気になる際は、専門の医療機関へご紹介させて頂きます。