一般小児科

発熱

体温は個人差があり、朝に低く午後は高いという日内変動を認めます。測定方法（わきの下、直腸内、口腔内、耳内）により値が異なりますが、日本ではわきの下が一般的です。日本人小児の正常体温は35.5〜37.5℃の範囲にあるため、37.5℃以上を発熱と考えます。実際に臨床上問題となるのは38.0℃以上のことが多いです。

子どもの発熱の原因は主に感染症によるもので、その多くはウィルス性です。ウィルス性の病気に抗菌薬は必要ありませんが、経過が長引くと、細菌感染を合併した混合感染となり抗菌薬が必要になることがあります。また、乳児期、特に生後３か月未満のお子様の発熱は、急いで抗菌薬が必要な重症細菌感染症の可能性を考慮する必要がありますが、定期予防接種を受けることによって予防することができます。

予防接種による発熱は、不活化ワクチンの場合、接種直後から翌日にかけて、生ワクチンの場合、１週間前後で起きることがあります。飲水（または哺乳）ができていて、定期的な排尿があれば、ほとんどの場合は１日程度で自然解熱するので、自宅安静のもとで経過観察をして頂いて大丈夫です。高熱が2日以上続く時、飲水（哺乳）ができない時、ご心配な時は、受診してください。

自宅での対応

① 環境調整

乳幼児は高い環境温度では体温調節がうまくできません。衣類をゆるめ（冬季は厚着を避けて）、適切に換気しましょう。

② 冷却（クーリング）

太い血管のある首や鼠径部を保冷剤や水氷（氷枕）などで冷やすことで、緩やかな解熱が期待できます。
一方、貼るタイプのものは、安心感を得たり、気持ちよく眠りやすくなるようなら行っても良いですが、すぐに冷却効果がなくなるので解熱効果は期待できないでしょう。

③ 水分摂取

発熱時は、食欲低下と共に水分摂取量が少なくなります。また、不感蒸泄（汗など）が多く、脱水に陥りやすいので、水分補給を積極的に行いましょう。水分が足りているかを判断する目安は排尿です。定期的に排尿があれば心配ないでしょう。体調がすぐれず飲むこと自体がつらい、どうしても沢山飲めない時は、「経口補水液」にすると良いでしょう。少量でもより効率的に吸収されるので、水分補給として優れています。

Q＆A

• メプチン吸入（気管支拡張）
• ボスミン吸入（クループ症候群）
• ステロイド吸入（アレルギー性鼻炎）
• ステロイド＋抗菌薬吸入（副鼻腔炎）
• 鼻吸引
• 耳垢除去
• 液体窒素
• 水いぼ除去
• 外傷
• 熱傷（軽度のもの）　※専門的な処置が必要な場合はご紹介させていただきます。